先日、ちょっとしたご縁から、島根県出雲市にある「ムラタコスモス出雲分室」(以下、ムラタコスモス)という会社を姉と二人、見学させていただきました。
ここは、出雲村田製作所(以下、出雲村田)のグループ会社で、障がいのある人たちが安心して働けるように作られた「特例子会社」と呼ばれる会社です。
ムラタコスモスは、出雲村田の一角にあるのですが、そもそもの出雲村田がまあ広いこと広いこと!
どの門から入るのが、ムラタコスモスに最寄なのかもよくわからず…見学をする前から軽く迷子になりました😆
建物の中も、まるで迷路のよう。
案内をしてくださった方からはぐれてしまったら、一人で出口にたどり着ける気がしない…そんな大きさでした。
実際に作業されているムラタコスモスの仕事場の様子も見学させてもらったのですが、どの方も自分のブースで集中して作業に取り組んでおられました。

今日すべきことがわかりやすく、そして効率よく取り組めるための個への支援に加えて、仕事・職場としての全体の(時間・場所・人の)構造化がなされていました。
《 「TEACCH(構造化)」とは 》
「TEACCH(ティーチ)」(Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped CHildren)とは、1972年にアメリカ・ノースカロライナ州で開発された自閉症教育プログラム。2024年度現在、世界45ヵ国以上で実践されています。TEACCHは、曖昧なものを整理して具体的な枠組みをつくる「構造化」の手法。たとえば、手洗い場で手の洗い方をイラストにする。スケジュール表に何をどの順番で行うか、イラストと番号を書く。道具箱や引き出しに何が入っているかラベリングをする。その他にも、勉強部屋には余計なものを置かずに環境を整えることなどが挙げられます。
引用元 自閉スペクトラム症児への支援プログラム「TEACCH(構造化)」とは?ASDの特徴と合わせて紹介!
ムラタコスモスの仕事場だけでなく、出雲村田全体の食堂や休憩場所、その他の方が働いているところもいくつか見学させていただいたのですが、どこも視覚的な案内があって、誰にとってもわかりやすい!
例えば階段。
・階段の真ん中にラインがあって右側通行がわかりやすくなっている。
・階段の下りの最後の一段に色がついている。
など。
階段だけでなく、たくさんの方が安全に・安心して仕事に向かえるよう、なるほど!な工夫があちこちにされていました✨
見学の最後に、ムラタコスモスの方が次のように話してくださいました。
「一つのことをコツコツと続ける力は、すばらしい長所です。みんなそれぞれに持っている力を活かせるような場をつくりたい。できるだけ長く、安心して働いてもらえるように、私たちも工夫し続けていきたいと思っています。」
その言葉を聞いて、私たちもじんわりと胸が熱くなりました。
ひとつのことに集中するのが得意な人、次々とアイデアが浮かぶ人、体を動かすのが好きな人…。
人それぞれ、いろんな「持ち味」があります。
それぞれが自分らしく働ける場所がもっともっと増えて、そして「自分はここがいい」と選べる社会になるといいなと、改めて思いました。
そのためにも、私たち大人がいろいろな働き方や場づくりに向けて自分ができることからまずは動いてみることが大切だと、そして大人同士が「持ち味」を連携させて「続いていくためのシステム」を作っていくことが大切だと、強く強く思いました。
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📗自閉症児のためのTEACCHハンドブック―改訂新版 自閉症療育ハンドブック
少し前の本になりますが…日本にTEACCH(ティーチ)を紹介した佐々木正美先生の本。

📗はじめてまなぶ自閉スペクトラム症: 診断から実践へ
本田秀夫先生の新しい書籍。私もこれから読みます!


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