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【からだのはなし】その2: 触る〜モノと自分

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今回は、「触る」にフォーカスを当ててみようと思います。

ブログ内で使っている「触覚」という言葉には、厳密にはとてもたくさんの意味があるのですが、今回はざっくりシンプルな意味として使っています。

とっても奥深くて面白い世界です。

興味のある方は、本などたくさん出ていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

前回は、行動の4つの要素について説明しつつ子どもの成長や発達には“からだ”の視点がとても大切という話をしました。

その時に書いた、

子どもは
自分のからだの感覚や動きをとおして
自分のことや世の中のことを
学んでいく

ということについて、今回は物(モノ)に「触る」という点から考えてみたいと思います。

モノと自分

私たちが学んでいるフェルデンクライス・メソッドでは、仰向けに寝て、床の上に寝ている自分の身体のありように目を向けることがよくあります。

フェルデンクライスメソッドの写真

☝️こんな感じ。

仰向けの場合、背中側が床と接することになるのですが、よーく自分の身体を観察すると

床にくっついているところ
床から浮いているところ

があったりします。

例えば首や足首の後ろとかは、床から浮いていますよね。

そしてもし今、仰向けに寝たら自分の腰のあたりはくっつくと思いますか?浮いていると思いますか?

想像だけでは難しいことも、実際に仰向けに寝てみると、床に触れている感覚や身体の重さによる圧などから、なんとな〜く分かりますよね。

この、皮膚などを通して得られる「触る」感覚のことを、【触覚】といいます。

猫のもふもふした毛を感じられるのも、カバンの中から手探りでスマホを探し出せるのも、この触覚が働いているおかげですアップ

フェルデンクライス・メソッドで、仰向けになって自分の身体を観察することも、実は「自分」と「床」の関係性の中で、自分の身体を観察していると言えます。

床があるからこそ「くっついているところ」「浮いているところ」などが分かり、そこから「自分の背中側は真っ平ではない」ことなどに気がつくわけですね。

「自分」と「床」の以外でも、

例えば

 猫を撫でる
  ↓
(触る感覚 インプット) 
  ↓ 
 気持ちいい
 好き
 柔らかい
 毛がいっぱい
 「猫」ってこういう生き物なんだな
 これが「もふもふ」ということか!

なんてことがあって、「猫と自分」の、触覚を通じた関係性の中で「これは、こういうモノ」ということや「自分にとって、こういうモノ」ということを関連づけていくわけです。

つまり、触るという動きや、触ることで得られた感覚(触覚)によって、気づきや学びが生まれていると言えるのです。

「触る」ことの大切さ

この触覚は、胎児としてお母さんのお腹の中にいる時から、しかも割と早い段階からあると言われています。

子宮の中で壁にぶつかったりするうちに、「自分の身体」と「子宮の壁」の関係性の中で「自分の身体」と「自分以外の身体」を学び始めるのだそうです。

赤ちゃんてすごいニコニコ飛び出すハート


「自分の身体」と「自分以外の身体」の区別がつくということは、子どもにとってどんな意味があると思いますか?

実はそれは、

「自己」を意識する第一歩
「自己理解」していく基盤

となるものだと言われています。

私たち大人は、自分の子どもにしろ、仕事で関わる子どもにしろ、

「自分のことを大切にしてほしいな」
「友達のことも、大切にしてほしいな」
「好きなことを増やして、色々なことに挑戦してほしいな」
「将来は、自分に合った仕事につけるといいな」

などなど、願いをもちます。

もちろん、子ども自身も自分について「こうなりたい」という願いをもつでしょう。

将来こういった願いを実現していく「自己実現」のためには、自分で自分のことをちょっと客観的に見る「自己理解」が不可欠ですよね。

学校においても、しばしば「自己実現に向けて」とか「自分について理解しよう」なんてテーマでの授業はなされます。

だけどそもそも、それらは、赤ちゃんの頃から動いたり感じたりすることを通して得てきた「自己の感覚」が土台となっているのです。

だから、子どもの成長や発達には“からだ”の視点がとても大切なのです。

特に「触覚」は胎児の早い段階からあると説明した通り、学びの出発点となる感覚の一つです。

赤ちゃんなので「もふもふだなあ」など言葉で表現するわけではありませんが、たくさん自分の身体を使って触ったり触られたりしながら、「自分」について学んでいるのです。

だからもし、赤ちゃんや子どもが何かモノに興味をもって夢中で遊んでいる時には、ぜひとも安全を確保しつつ見守ってあげてくださいね。

それはきっと、モノと自分の関係性の中で、そのモノについてや自分の身体について情報収集して学んでいる最中なのでしょう^ ^

***

「モノと自分」とくれば、次は「ヒトと自分」ですよね^ ^

次回は、そんなお話ができるといいなあと思っていますひらめき電球


参考;
・ヒトの発達の謎を解く 胎児期から人類の未来まで 明和政子 ちくま新書

・事例で学ぶ発達障害者のセルフアドボカシー 片岡美華 小島道生 編著 金子書房
・発達を学ぶ 人間発達レクチャー 森岡周 協同医書出版社


からだのはなし;その1
からだのはなし;その3
からだのはなし;その4

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