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【考える力のおはなし】その2: 子どもが考える力を発揮するためには

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フォイヤーシュタインメソッドのまなびの中で
子どもが困ったり間違ったりした時こそ

”子どもの成長のチャンス”

と教わっていきます。

そして大事なのは指導的立場にいる私たちが困っている子どもに

”どんなかかわり方をしているか”

それを客観的に捉えることが大切だと学びます。

イスラエル発のフォイヤーシュタインメソッドは、現在世界数十カ国で取り組まれれ、大学で研究されている教育法です。

私は、学んだ理論を使いながら自分自身の「かかわり方」を整理し、振り返ることが多いです。

今日はその考え方のごく一部ですが、ご紹介していこうと思います。 

今回の記事を読まれて

「OH〜!本当だ!!」と気づいたことがあれば、ご自身の日頃のかかわりの場面に置き換え整理してみてください。

きっと子どもさんの捉えとかかわり方がちょっと変わっていくと思いますよ。

楽しみ楽しみ♡

困った時の3つのかかわり方

大人が、子どもが困ったり間違ったりした時に、かかわる方法は以下の3つ。

⚫︎焦点化 ⚫︎動き ⚫︎ことば

この3つの方法を組み合わせたりアレンジしたりしながら、子どもにかかわっていると考えられています。

では ちょっと問題をだすので、考えてみましょう。

【問題1】

子どもが日記を書いています。 
覚えたはずの方法の「法」の字をうっかり忘れてしまいました。
子どもから「方法の法の字ってどんなんだったけ?」と言われた時
あなたなら
どんなふうに伝えますか?

こんな場面、日常的にありますよね。
相手が大人の方の場合でもありますよね。

これまでの経験で、身近な人をイメージして考えてみてください。

では 答え です。
これはあくまでも例えですが・・。
例えば・・・

①焦点化+動き
☞携帯で検索し「法」の字を出し「これだよ」と注目するよう指す。

②動き+ことば
☞「さんずいに〜」と言いながら「氵」を指で空書きする。

③ことば
☞「さんずいに、土を書いて、カタカナのム」と伝える。​

では次いきますよ〜

【問題2】

ズボンの前後を逆に着ていた子どもがいました。正しく直すように導いていきますが・・
さて どのようにかかわりますか?

これも相手が大人の場合もありますよね。
私は靴下を裏表に履いていることがあります^^;

さて どのようにかかわりますか?

では 答え です。 
これも例えをあげますね。
例えば・・

①焦点化+動作+ことば
☞「おっと!ポッケが前にあるね、はんたいだね」と言いながら、後ろ印となっているポッケの位置を意識させ、手をとって一緒に履き替えさせる。

②動作+ことば
☞「おっと!ポッケが前にあるね、はんたいだね」と言いながら、自分のお尻を叩い 
てジェスチャーで「ポッケは後ろ」を伝え、履き替えるよう促す。

③ことば
☞「おっと!ポッケが前にあるね、なおそうね」と伝え、履き替えを促す。

どうでしたか?

きっとイメージした子どもさんの年齢や発達、関係性の深さ、またご自身の経験の差などによって、答えは全く違うものになると思います。
だから、私の答えはあくまでも「例え」なのです。

かかわりの距離

さてここからは解説になります。
ちょっと分かりにくいかも知れません。
なんとなくの感覚でとらえてみてくださいね。

実は答えで書いた例えの
①・②・③には、かかわりの「距離」に違いがあります。

①の方が②③よりも直接的で具体的です。
フォイヤーシュタイン的に言えば、この状態をかかわりの距離が「近い」と言います。
さらに③になると、言葉かけのみで済むので、①②に比べ、かかわりの距離が「遠い」と言いいます。

つまり
距離が近ければ近いほど直接子どものからだに触れて
”一緒にする”とか”してあげる”
みたいなかかわり方になっていきます。

逆に距離が遠ければ遠いほど、ことば等によるかかわりが多くなると思います。

バリエーションについて言えば
例えば焦点化の場合は・・

指だけではなく、マーカで塗ったり、赤ペンで囲ったり
「そこそこ」みたいな目配せとか
「右の上の方」みたいに言葉でもしますよね。

どの方法にもいろんなバリーションが考えられるので、組み合わせによってかかわり方は無数にあると思われます。

でも「距離感」で整理すると、なんとなくわかりやすくないですか?

大切なのは【考える力】を発揮できること

フォイヤーシュタインメソッドでは、自分で考え、自分で問題解決していく

“自立した学習者”

の育成を最終目標にしています。

①→②→③とかかわり方をステップアップさせ、いずれは大人の介入がなくとも
「その子はその子なりに考え、よりよい解決方法を選び、解決する」

を目指していきます。

大切なことは、いずれのかかわり方でも、もっている【考える力】を最大限に発揮できること。

裏をかえせば、子どもが【考える力】を最大限に発揮できるような、そんな「かかわり方」になっているかが重要になります。

だから、自分自身の「かかわり方」を客観的に捉えることが大切になっていくんですよね。

というところで今回はおしまいです。

≪考える力のおはなし≫シリーズ
その1 考える力の3つのステップ
その3 入力はボトルキャップとボトルネック
その4 「同じとちがう」根拠をもって考える

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