タイトルの【からだのはなし】と聞くと
健康についての話
骨や筋肉、内臓の話
もしかしすると、そんなイメージをもたれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、発達にまつわる【からだのはなし】としてお届けしたいと思います。
行動の4つの要素
さて、突然ですが。
みなさんは何かを行動するときに、その行動をするに至るには、どんな要素があるかご存知ですか?
例えば、とっても疲れた時。皆さんはどんな行動をしますか?
椅子に座りますか?
寝ますか?
お風呂にゆっくり浸かりますか?
どの行動を選ぶか、その理由なんて
その時の気分
何となく
選択肢が他にない
などなど
要素なんて知らんがな、ですよね。
私たちは、いちいち、一つ一つ、ご丁寧に「これをする!」と決断しながら生活しているわけではなく例えば、日常生活での行動なんて、ルーチンの中でなんとなーく無意識のうちに選びながら過ごしていますよね。(じゃないとやっていけない説)
フェルデンクライス・メソッドの創始者
モシェ・フェルデンクライス博士は、行動の要素は次の4つだと説明しています。
運動
感覚
感情
思考
どういうことか分かりやすくなるよう、フェルデンクライス博士の話をもとに簡単にイラストにしてみました^ ^
やる気が起きないイノシシさんの行動をもう少し詳しく見てみましょう。
身体が重いなあ
だるい、つかれたなあ
こんなふうに寝ると楽だな
宿題しないといけないけど…
寝たらやる気が起きるかな?
もう少しだけ横になっとこ!
「だるいなあ」「つかれたなあ」「横になると楽だなあ」という感覚の情報をインプットして処理した結果、【もう少し横になって休む!】という行動を選択しているわけですね。
しかも、いちいち「横になると楽だ」なんてことを、私たちは言葉として考えず、体の声に従って無意識でその姿勢を選択していますよね。
情報のインプットや処理、アウトプットについては【考える力のおはなしシリーズ】を読んでみてくださいね
なんで【からだ】が大事なの?
もう少し横になって休むという行動を選択をしたイノシシさんですが、
寝る姿勢をとることができる
体が重い感じる
寝ると楽に感じる
というのは、実は全て体が元になって得られている情報が使われているのです。
もしイノシシさんが自分の体からうまく情報が得られなかったり、得た情報をうまく使えなかったりしたら…
この姿勢が楽なのかどうかが分からない
とか
横になっているのに全然力を抜くことができない
とか
腕枕した方が楽だと気付けなくて、体は楽だけど首が痛い…
とか
そもそも自分が疲れているのか、よくわからない
とか、起こるのかもしれません。
そうすると、休んでみたもののとても宿題をする気持ちになれないでしょうし、なによりたまりにたまった疲労である日ばたんと倒れてしまいそう。
自分の体のありようを感じとれることは
適切に
楽に
よりよく
暮らしていくためにとても大切なんです。
そしてそれは子どもの成長発達においても同様で
いやいやそれ以上にとてもとても大切なこと。
なぜなら子どもは自分のからだの感覚や動きをとおして自分のことや世の中のことを学んでいくからです。
だからヒトが育っていくのに【からだ】の観点はとっても大切!なんですね^ ^
次回の【からだのはなし】は、体から学ぶって?の辺りに触れていこうと思います!
参考文献:M・フェルデンクライス 安井武訳『フェルデンクライス身体訓練法』大和書房
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