「考える」っていつからするの?
「考える力」というと、0歳児の赤ちゃんからはイメージしにくい言葉ですよね。
でも
赤ちゃんが、ガラガラを見て手を伸ばして握ろうとしたり
お母さんやお父さんを見て微笑んだり声を出したり
これらも全部「考える力」です。
私たち大人も
「今日はどんな服を着ようかな?」
といった日常のことから
「この仕事はどんな段取りでしていこうか」
など
大なり小なりいろんなことを常に考えています。
「考える」ことは
赤ちゃんから大人の私たちまで
人が人として成長発達していく上で
日々行っている活動に欠かせないものなのです。
まなび舎ぽっとでは
そこに直接アプローチする活動をさせてもらっているので
一人一人が
「より豊かに」
「より自分の想いや願いに近づくよう」
一人一人の「考える力」に丁寧に関わり
丁寧に支えていきたいなと思っています。
「考える力」の3つのステップ
では
「考える力」の3つのステップについてお話ししていきます。
「考える力」には3つのステップがあると言われています。
これは心理学の用語で「認知プロセス」と言いわれるものです。
①情報を入力(インプット)
外部からの情報を受け取ります。主に五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)をフル活動させて情報を入力します。
②情報の処理(エラボレーション)
情報を入力すると、それを脳内で処理します。 これまで経験したことや学んだことといった知っている知識と結びつけて、理解したり解釈したり判断したりします。
③結果の出力(アウトプット)
結果としての行動や反応です。例えば、ことばで言う・伝える、うごき、泣く笑う怒るなどの表出等が含まれます。応答とか行動と言われる範囲のものです。
例えば・・
「好きなドーナツを2種類から選んで食べる」の場合
①入力:2種類のドーナツが見える
②処理:今日食べたい方はどっちか判断する
③出力:好きなドーナツを選んで食べる
ってな感じ。
例えば・・・
「なぞなぞです。”れいぞうこ”の中に動物が隠れてます。なーんだ?」の場合
①入力:「なぞなぞ。れいぞうこの中に動物が隠れている」を正確に聞く
②処理:「れ」「い」「ぞ」「う」「こ」の文字を頭の中に浮かべ、動物の名前を探す
③出力:「ぞう」と答える
ってな感じ。
例えば・・・
「ダンスのお兄さんと一緒に踊ろう!」の場合
①入力:お兄さんの踊りをしっかり見て、曲も聴く。
②処理:自分の体に置き換えて、動かし方を分析する
何回同じ動きをするか分析する
曲と動きのタイミングを分析する
スピードの変化を分析する
③出力:踊る
ってな感じ。
どうですか?
少しイメージがつかめましたか?
しかし
本来は人の頭脳はもっともっと複雑です。
この3つのステップも関連しあって働いているので
こんなに単純にはいきません。
ただ
なんかわかりやすくっていい感じですよね。
そして
ぽっとでは、この3つのステップのどこに
子どもの困難さの原因や誘因があるのか
どこに目標を立ててアプローチするのか
と
子どもの見立てに使っています。
ということで今日はここまで。
次は、「入力段階に必要な力」についてお話ししていこうと思います。
参考文献
Second Edition of Mediated Learning In and Out of Classroom
宮城武久著「障害のある子どもの考える力を育てる」Gakken
立松英子編著 斎藤厚子著「太田ステージを通した発達支援の展開」学苑社
≪考える力のおはなし≫シリーズ
その2 子どもが考える力を発揮するには
その3 入力はボトルキャップとボトルネック
その4 「同じとちがう」根拠をもって考える
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