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【からだのはなし】その3: 触る〜ヒトと自分 

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親子活動の【くっつきタイム】

親子活動の写真

ちょっと懐かしい写真をもってきてみました。

これは、2020年に横田幼児園で行った親子活動のひとコマです。

(もとの記事はこちら★

横田幼児園さんの親子活動に毎年お声がけいただいており、ブログには書いていませんが、今年も9月に行ってきました。

この写真は、親子で一緒に体を動かした後の、ぴったりくっつく時間のものです。

見ているだけで、ほっこりする写真です^ ^✨

こんな風にぴったりとくっついて、お互いの呼吸や鼓動、温かさや重さを感じることで、大人も子どもも、ふんわりしっとり、なんだかいい気持ち…で活動を終えるようにしています。

少し前まで、元気いっぱい動き回っていた子どもたちも、この時ばかりは静かに、このひと時を味わいます。

親子で密着することによって、子どもの心は安心感に基づいたエネルギーで満たされることになります。

そしてこのようなエネルギーは、子どもの健康的な心身の成長に欠かせないものであると言われています。

触れ合うことで【満たされる】

アタッチメント(愛着)という言葉をご存知でしょうか。

最近耳にする機会が増えてきたように思います。

アタッチメントについて少し説明をするために、『ヒトの発達の謎を解く』という本より引用、参照しますね。

・本来の意味は「ヒトを含む動物の子どもが養育者と身体的にしっかりとくっつこうとする(アタッチしようとする)行動特性」である。

・「泣いて訴えたり、後追いしたり」して発せられる「乳児からのこうしたシグナルが養育者に適切に受け止められ、応答される経験を日常的に繰り返していくことで、乳児と養育者のアタッチメントは安定したもの」になっていく。

・「子どもにとってのアタッチメントの対象は、授乳者たる母親である印象が強い」が必ずしもそうである必要はなく、「子どもの発するシグナルを安定的に受け止め、安心感を常にもたらしてくれる『特定の存在』がそばにいることが大切」。

カギ括弧内引用・参照(ヒトの発達の謎を解く 胎児期から人類の未来まで 明和政子 ちくま新書)

アタッチメント(愛着)と聞くと、なんとなく「親子の絆」のイメージで使われていることが多いですが、本来は【身体的にくっつく】ことを表す言葉なんだそうです。

身体的にくっつくことを通して、徐々に【自分】と【養育者(大人)】の関係性の中で結果的に絆が育まれていくことになるんですね。

子どもは不安なことなどに直面した時に、養育者にくっついて保護されることで、「マイナスな状態」を「いつもの状態」に戻そうとするのだそうです。

このように聞くと、アタッチメント(愛着)とは、DNAレベルで組み込まれている行動なんだなぁと思えます目

これらの引用・参照部分の中で、ポイントとなることは

・スタートは、体をくっつけることから。
・子どもの発するシグナルを安定的に受け止めるて応答すること、安心感をもたらしてくれることが大切。

くっつきながら発信したシグナルを受け止め応答してもらう経験を積むにつれ、そのうち、実際に身体がくっついていなくても安心感の経験を支えに、1人でチャレンジするようになっていくと言われています。

イラストにまとめてみると、こんな感じでしょうか。

☟☟☟

「愛着」のイラスト
                             ↑ここ、大事!
                        「充分愛情を与えているのでOK」ではなく…
                        「子どもが実感して満たされているか?」で判断を

                     

触れ合いによる安心感の先にあるもの

くっつくことで得た安心感は子どものエネルギーとなって、1人でもやってみよう!というチャレンジにつながっていくと書きましたが、実は【自分】と【大人】の関係性の中で、くっつきながらそのほかのことも学んでいます。

例えば…

【からだのはなし】その1 どうしてからだが大事なの?
で、フェルデンクライス・メソッドの考え方として運動、感覚、感情、思考は密接に関連していると紹介しました。

【自分】と【大人】との関係性の中に置き換えてみると…

養育者から触れられている感覚が心地よいという感情につながって、もっと触れてほしいと思ったり

オムツが濡れた不快感を泣いたり手足をばたつかせたりして表現すると、大人が気づいてオムツを変えてくれたり

大人を介して、自分の行動の意味を見つけていくと言えるでしょう。

さらにその後には、大人がする指さしや、声のトーン、表情や視線などの意図を読み取る力もつけていくことにつながります。

また、

【からだのはなし】その2 触る〜モノと自分
では、「自分の身体」と「自分以外の身体」の区別がつくということは、子どもにとって「自己」を意識する第一歩と言われている、と紹介しました。

生まれたての赤ちゃんは「触る」感覚に基づいて、自分と自分以外のヒトやモノを区別していきます。

【自分】と【大人】との関係性の中に置き換えてみると…

自分の足を自分で触ると「触る」と「触られる」が同時に感じられますが、大人が自分に「触る」と、「心地よい」とか「温かい」などとともに「触られる」感覚がします。

そして心地よく触られている時に「気持ちいいね」と微笑みながら声をかけられることで、自分の感覚と、言葉やイメージが結びついていくことにつながります。

他者がいるからこそ、自分のことがわかる…

自分と他者の区別がつくことは、のちのち「相手の立場に自分を置き換える」ということにつながっていくと言われています。

このように【自分】と【大人】の関係性の中で、くっついたり触ったりすることを通して、社会の中で円滑な人間関係を築いたり、自分らしく過ごしたりすることにつながる土台を作っているのです。

おわりに

冒頭の【くっつきタイム】の写真。

いろんな願いを込めて私たちはこの時間を設定しています。

特に大きくなってからは言葉でのやりとりが中心になり、「触る」ことを通して学ぶ経験はぐっと減ると思います。

赤ちゃんじゃなくても、お兄さんお姉さんになっていても、きっと根っこにあるものは同じで、安心・信頼が子どもたちのエネルギーになることは間違いありませんし、「触る」ことで気づくこと学ぶことも、たくさんあるはずです。

時々、そんな時間をもってみるのもいいのではないでしょうか?

今回のお話は、ここまで。

ではではパー

からだのはなし;その1
からだのはなし;その2
からだのはなし;その4

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